女子柔道

女子柔道で谷本が2連覇、腰痛乗り越え多彩な技身につける

2008年 08月 12日 23:07 JST[-] 文字サイズ [+][北京 12日 ロイター] 北京五輪女子柔道63キロ級の試合が12日、北京科技大学体育館で行われ、日本代表の谷本歩実が2連覇した。アテネに続き全て一本勝ちだった。腰痛を乗り越え、これまでの豪快な投げ技に足技や寝技などが加わり多彩な技を身につけた「ニュー谷本」を大舞台で披露した。。アテネから全て一本勝ち、北京では多彩な技。初戦となる2回戦は横四方固め、続く3回戦は崩れ上四方固め、準決勝でも07年世界選手権王者ゴンザレス(キューバ)を横四方固めで押さえ込んで勝利した。谷本といえば豪快な投げ技。アテネでも豪快な投げ技を駆使し全て一本勝ちだった。しかし4年後の北京に表れた谷本は別人のような柔道で勝ち進んで行った。柔道の幅が広がったのは腰痛で苦しんだためでもある。腰椎分離症をわずらい一時は優勝できない時期が続いた。アテネ後の世界選手権では05年が2位、07年は3位だった。腰は完治までには至らず、谷本は「前に近くなったが、近くなっただけで(残りは)何かで埋めないといけない」と以前語っていた。「怪我したことによる精神面での成長が大きかった。もともと寝技はできたが、がまんして寝技などの練習をするようになった」と松岡義之コーチは話す。技のバリエーションが広がり、強引に投げるのではなくチャンスをうかがい、その場面に応じた技が出せるようになったという。「今までの派手さはなくなるかもしれないが、地味だけど一本を取る」と谷本はかつて語っていた。。一本へのこだわり、デコスとの最後の勝負。だが「一本」へのこだわりを捨てたわけではなかった。投げ技と比べ地味ではあるが、準決勝まですべて一本勝ち。決勝戦ではライバルのデコス(フランス)の大内刈りをはずして豪快な内股で一本勝ちした。3回戦以降の相手は全て負けたことのある相手だが、谷本は「一本勝ちでリベンジできてうれしい」と試合後、満足げに語った。デコスはジュニア時代から常に決勝で当たり、05年世界選手権と06年ワールドカップの2大会で一本負けしている最強のライバル。デコスの柔道が好きだという谷本。最高の相手と最高の舞台で戦えたことで試合中には笑みも出てきたという。谷本は試合後、「やっぱり一本(を取る)柔道を教えてきてもらったので、それを貫いて、これから柔道する子供たちにもっともっと一本を取る柔道をしてもらいたいと思ったのでよかったです」と涙と汗で濡れた顔を大きくほころばせた。(ロイター日本語ニュース 伊賀 大記記者)。

[引用元:ロイター]

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